木管楽器の緊急医    

 山崎木管修理工房  

つぶれたフルートの修復

つぶれたフルートの修復

このフルートは転んだ時につぶしちゃったそうです。
大きく壊れた場所は、①足部管の先のリングがつぶれた、②本管とのジョイントが三角になった、③本管のジョイントリングが歪んでいる、④足部管が全体に三角になった、⑤Hのkeyポストが凹んでいて、Hとブリチアルディkey及び芯ネジが曲がった、⑥ホールのゆがみが3か所、カップのゆがみが3か所です。
足部管のネジを何とか少し動かして出てきたネジの頭部分を万力にかんで少しずつネジを外しました。
最悪ネジを切ることも考えましたが、何とか外れました。ネジは歪んで直らなかったので交換しました。Hkeyのポストも外しました。
ジョイントリングや足部管の先のリングなど肉の厚い部分はリングを外さないと見た目綺麗になったと思っても実ははんだの接着面が直っていないので外しての修理になります。
管の内径より少し細い心金から管の中に入れてある程度凹を直します。本来の心金が入ったら外側からローラーをかけて凹を直します。
Hkeyポストの凹がきれいになったらHkeyのポストをはんだ付けします。
足部管も本管同様少し細い心金を内管に通し少しずつゆがみを直し、本来の心金が入ったら凹を直します。
管のゆがみが直ったらリングを取り付けてジョイントの部分をすこしずつすり合わせます。
今回、カップ用の心金を作りました。これでカップのゆがみもきれいになりました。
最後に全体のバランス調整をして出来上がりました。

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